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営農情報

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水稲

2016.08.01更新

水管理/穂肥の施用/病害虫防除


1.水管理

(1)中干し

 この時期、中干しをしている圃場も多いと思います。先月号に掲載したとおり、中干しの程度は軽く足跡がつき、軽く干割れが入るくらいとします。多施肥の圃場では窒素分が効きすぎていることが多く過繁茂や倒伏が心配されるので、さらに強めの中干しが必要です。逆に生育が遅れている場合には、間断かんがいに努めてください。なお、中干し後の入水は、水が豊富であれば走り水から始めて徐々に湛水してください。急に深水にすると、根腐れを起こしたり、窒素分の肥効が戻って生育を乱したりする恐れがあるので注意が必要です。池掛では水量の管理が難しいと思いますので、入水したらそのまま溜めてください。

(2)幼穂形成期~出穂期

 幼穂形成期はおおむね、きぬむすめで7月28日頃、にこまるで8月5日頃、朝日で8月9日頃、アケボノで8月11日頃が目安です。この頃、県南部では気温が高く、根腐れが進む時期でもあるので、間断かんがいや、ひたひた水で土壌中へ酸素が供給されやすい状態を維持してください。35℃以上の高水温が続く場合は、掛け流しや田干し等により水温と地温の低下に努めてください。

(3)出穂後~落水期

 根の活力維持を目的に間断かんがいを実施しましょう。

2.穂肥の施用

 穂肥は2回に分けて施用しますが、二発型の施肥設計では1回で済ませます。一発型の施肥設計では基本的に施用しませんが、出穂後に快晴が続き葉色が薄い場合には、窒素成分で1㎏程度の穂肥を施用したほうが良いこともあります。基肥を控えて施用している場合は顕著ですので、施用時期と施肥量は「JA岡山東うまい米栽培ごよみ」を参照してください。

3.病害虫防除

 とくに、梅雨の後半に天候不順が続く場合はいもち病に注意しましょう。また、補植用の置き苗は伝染源となりやすいので早めに取り去りましょう。分げつ最盛期以降に高温多湿が続く場合は紋枯病に注意しましょう。また、多肥栽培であったり前年に発病していた場合、発生が十分に懸念されます。
 玄米の品質低下を招く主要因として一番多いのが、カメムシによる斑点米です。カメムシにはいろいろな種類がありますが、とくにアカスジカスミカメ(写真1)は体長約5㎜と非常に小さく発見が難しいですが、近年発生の多いカメムシの一種です。
 穂が出る直前に、穂いもち病(写真2)、紋枯病(写真3)、ウンカ類(写真4)等を対象に防除を行ってください(表)。また、葉いもち病が多かった圃場や夏ウンカが発生した圃場、カメムシ類の出やすい圃場では出穂後の防除も行いましょう。粒剤の場合は出穂5~10日前頃に1回散布します。
 近年多発している稲こうじ病(写真5)も重要病害です。出穂期に多雨が続き、窒素肥料がよく効いた条件等で多発しやすいといわれます。また、前年多発した圃場では、とくに注意が必要です。米検査で稲こうじ病に罹った玄米が見つかった場合、規格外になります。

写真1 アカスジカスミカメ

写真3 紋枯病

写真2 穂いもち病

写真4 セジロウンカ(夏ウンカ)-左
    トビイロウンカ(秋ウンカ)-右

表 出穂前防除剤

写真5 稲こうじ病

※稲こうじ病
 稲こうじ病は籾のみに発生します。出穂数日後には、感染した籾の内部に乳液状の物質ができ、被膜に覆われています。出穂7~10日後頃より外穎(がいえい)の隙間から青白色を帯びた小菌塊が現れ、しだいに籾を包むようになり、出穂14~20日後まで肥大します。被膜が破れて中の厚膜胞子が露出すると、最初は黄緑色ですが、日が経過するにつれて濃緑色や緑黒色に変化します。症状の進んだ病籾は、外側は暗緑色で割れ目があり、内部は黄緑色で淡黄色の厚膜胞子と白色の菌糸で構成され、淡黄色層に菌核形成される場合もあります。病籾の1穂当たりの着生数は通常1から数個で、20個以上生ずることもあります。第一次伝染源は、土壌中で越冬した菌核あるいは土壌中や被害わらで越冬した厚膜胞子と考えられていますが、幼穂感染は明らかではありません。「菌核が発芽して子実体を作り形成された子のう胞子が飛散」するか、「厚膜胞子から分生子が形成、飛散」して、穂ばらみ後期の葉鞘の隙間から雨や霧とともに葉鞘内に流れ込み感染すると考えられています。稲こうじ病は俗に豊年穂と言われ、好天の年に多発し、発病しても実害はないとみなされていましたが、実際には、幼穂分化期~穂ばらみ期に降雨が多く気温が低い年、いもち病が多発するような年等は、発生が多く確認されています。また、窒素の多施用、とくに晩期追肥した圃場や山間地等の日照不足になる圃場、晩植や前作が野菜の場合に発生が多い傾向にあります。

図 稲の生育ステージ

(吉永支店 金重 博)