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営農情報

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水稲

2017.02.01更新

平成28年産米の品種別作柄/昨年気になった病害/平成29年産に向けて


1.平成28年産米の品種別作柄

 平成28年産米の品種別作柄は次のとおりです。

○あきたこまち

 出穂から登熟中後期まで天候が良く多収でしたが、収穫期の雨で刈り遅れたため、発芽粒が増加しました。

○ひとめぼれ

 出穂から登熟中後期まで天候が良く多収でした。

○コシヒカリ

 収穫期の雨で刈り遅れました。

○きぬむすめ

 出穂期から登熟前半までは天候が良く、まずまずの出来でした。登熟中後期は曇雨天でしたが気温が高かったため、意図せず刈り遅れとなりました。そのため、発芽粒が増加し、また、紋枯病が多発しました。

○ヒノヒカリ

 出穂期は、きぬむすめより遅めでしたが、前半の高温障害、肥切れ、登熟期の曇雨天の影響を受けたため、品質収量ともに低下しました。また、紋枯病が多発しました。

○朝日

 幼穂形成期の天候が良かったため籾数は増加しましたが、出穂から登熟期の曇雨天で充実不足になりました。また、紋枯病と穂枯れが多発しました。

○アケボノ

 幼穂形成期の天候が良かったため籾数は増加しましたが、出穂から登熟期の曇雨天で充実不足になりました。また、紋枯病、穂枯れが多発しました。品種特性で腹白が出るため、朝日より品質低下がみられました。

○雄町

 幼穂形成期の天候が良かったため籾数は増加しましたが、出穂から登熟期の曇雨天で充実不足になりました。また、穂枯れが多発し、中米が増加して酒米収量は減少しました。ただし、初期に充実した1次枝梗籾が2.1mmで残ったため、心白発生率が高く、1等米比率は天候の割には高い結果となりました。

2.昨年気になった病害

○もみ枯細菌病

 「もみ枯細菌病」(写真1)は、九州地方から東北地方までの各地で発生し、以前から九州地方に多い病害でしたが、最近では本州でも増加の傾向にあります。細菌により発症する病害で種子伝染をするため籾が第一次伝染源となります。
 罹病した籾を浸漬すると病原細菌が遊出して健全な籾を侵し、播種後に苗腐敗をおこす場合があります。また、苗腐敗にならない苗も体内に保菌している可能性があり、環境によって発病しますので、環境制御等による対策が必要になります。なお、出穂前後に穂に移行した場合には籾から発病し、発病穂は周囲の穂への二次伝染源となり、被害が拡大します。
(1)発生形態
 もみ枯細菌病は、出穂期から出穂10日後頃までに降雨があり高温が続くと発生が助長され、出穂・開花期以降籾の基部が黄白色となり、変色部は拡大して全体が緑色を失い灰白色となり、やがて淡紅色を帯びた黄褐色となり、重病穂では、穂が直立したままになります。発病は籾だけで穂軸や枝梗は緑色を保っており、発病籾は、罹病程度が高いと「不稔」になりますが、低いと「死米」や「不完全米」となります。これらの玄米には、健全部と病斑部の境に褐色帯状斑と呼ばれる褐色の帯が現れることがあり、これはもみ枯細菌病罹病玄米の特徴的な症状であり、診断する時の重要な指標となります(写真2)。
(2)防除対策
 出穂前の薬剤防除が中心になりますが散布適期には注意しましょう。また、罹病籾は早めに取り除くことも必要ですが、植物体内の窒素量が多くなると多発する傾向が見られますので、前年多発した圃場、常発圃場、葉色の濃すぎる圃場では、施肥基準を守り窒素の多施用、とくに肥料が遅効きしないよう穂肥の施肥量にも注意しましょう。

写真1 もみ枯細菌病穂

写真2 被害粒(玄米)

3.平成29年産に向けて

(1)雑草対策
 近年、圃場に雑草の発生が多くなっているように感じます。除草剤は、年々薬害が少なく抑草効果が高いものが開発されていますが、圃場により効果の差が見られます。除草剤の効果を高めるには、散布後早めに入水(3~5cm)し、3~4日は湛水して7日間は落水しないことです。ただし、ジャンボ剤の場合は5cm以上湛水します。また、代かきを丁寧に行い地面の高低差をなくすこと、散布時期が遅れないことも大切です。
 漏水田や砂土の水田では湛水期間が保てなくなることがあります。圃場の改善ができない場合は、乾田直播用の除草剤使用も検討しましょう。
(2)天候に応じた出穂後の薬剤散布
 出穂期以降に降雨が多い場合は追加の殺菌剤の散布が必要となります。出穂前の薬剤散布だけでは防除が足りず、穂いもち病やもみ枯細菌病などが多発します。例年は出穂期頃は安定した天候になりますが、例外の年もあるので、その年の天候に合わせた随時防除を考慮する必要があります。
(3)適期収穫の徹底
 出穂期前後は天候が悪かったのですが、気温は高かったため、予想より早く登熟しました。登熟速度は気温による影響が大きいため、天候に惑わされず気温の推移に注意し、圃場での青味籾率の観察が重要です。
(吉永支店 金重 博)