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営農情報

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水稲

2017.03.01更新

水もちの改善/畦畔の補修/排水を図る/昨年気になった害虫


1.水もちの改善

 水もちが悪いと、除草剤の効果も十分に発揮されません。また、肥料の効き方も悪くなります。ベントナイトを700~1000kg/10a施用し、水もちを改善しましょう。

2.畦畔の補修

 自然災害や、イノシシ、モグラ等によって畦が壊されたり、畦が狭くなっている場合には、農閑期に整備しておきましょう。

3.排水を図る

 水が溜まっていると、わらなどが腐りにくくなります。いつまでも溜まっている所は表面水だけでも取り除いておきましょう。

4.昨年気になった害虫

○斑点米カメムシ類
 斑点米カメムシ類は、稲穂を吸汁して玄米に斑点を作るため、玄米の品質を損なう被害を与えます(写真1)。斑点米カメムシ類には様々な種類があり、とくにアカスジカスミカメ(写真2)は、体長約5mmと非常に小さく発見が難しいのですが、近年発生の多い斑点米カメムシ類の一種です。
○ミナミアオカメムシ
 成虫は体長が12~16mmでアオクサカメムシに似ていますが、体がより縦長で、前胸背側角の突出が弱く、触覚第3~5節の先半分が褐色、腹部背面が緑色をしています。しかし、体色は多くの色彩変異があり識別できません。
 他の斑点米カメムシ類に比べて体が大きく、その分吸汁量も多いので低密度でも大きな被害を出します。収穫後もヒコバエ等で増殖し、その後越冬場所に移動するため、発生を確認した圃場では早めに耕耘して増殖源をなくしましょう。
(1)発生形態
 秋にメヒシバやエノコログサなどの葉鞘に卵を産み付け、卵で越冬します。春になると孵化し、イネ科雑草の葉・茎・穂を餌として大きくなり、やがて成虫になります。年間に繰り返す世代数は、地方によって異なり、暖かい地方ほど回数が多くなる傾向があります。
 稲の出穂が始まると成虫が圃場に入ってきて、繁殖のために稲穂を餌にします。口針が玄米に到達すると消化液を出し、玄米のデンプンを溶かしながら吸汁し、溶かされた部分にバクテリアやカビが繁殖します。これが、褐色や黒色の斑紋となって表面に残り斑点米となります。
(2)防除対策
 圃場に入ってくるカメムシ類の数をできるだけ少なくするよう、出穂前までに畦畔や農道の雑草を何回か刈り取ったり、休耕田の草刈や耕起などでイネ科雑草をしっかり抑えておきましょう。地域で連携して一斉に行うとより効果的です。また、圃場に侵入したカメムシや増殖したカメムシから加害されないように農薬を散布しましょう。農薬散布は、薬剤の選択と散布時期が重要で、とくに粒剤は湛水状態にしておく必要があります。

写真1 斑点米

写真2 アカスジカスミカメ

写真3 3齢幼虫(左) 5齢幼虫(中央) 成虫(右)
○ジャンボタニシ
 近年、水田付近の雑草や用排水路のコンクリート壁面に鮮やかなピンク色の卵塊(写真4)を見ることが多くなりました。これはジャンボタニシ(学名:スクミリンゴガイ)という南米原産の淡水性巻貝の卵です。過去に養殖を目的に輸入されたものが、現在では野生化して水稲栽培に被害を与えています。在来のタニシと比べ大きいことからジャンボタニシと呼ばれています。
(1)発生形態
 数年前からJA岡山東管内でも被害が確認され、現在でも発生・被害面積が拡大しつつあります。
 ジャンボタニシの雌貝は、日が暮れると水中から上がって圃場周辺の雑草や用排水路のコンクリート壁面に、1回につき約320個の卵粒からなる卵塊を産み付けます。産卵は、温かい条件下で4月中旬頃から始まり、11月上旬頃まで続き、最盛期は6~8月頃です。年間の総産卵数は2400~8600個で適温条件下だと卵は10~20日で孵化し、水面上の卵塊から水中に落下し、約2か月で殻高1~3cm以上の成貝になります。
 ジャンボタニシは熱帯性生物のため寒さに弱く、2~38℃の水温で生存しますが、14℃以下では活動を停止して休眠状態に入ります。越冬に適した成貝は2~3cmで、落水後の水田などでは浅く潜土して越冬します。また、橋の下や土管等の温かいところでも越冬は可能で、汚水にも強く用排水路等で旺盛に増殖しつつ移動分散し、水田に反復侵入して被害をもたらします。
 在来タニシより、繁殖力が強く活発に移動し、雑食性であるため、柔らかい草や水稲の苗(田植後3週間程度まで)を食害します(写真5)。なお、殻高の大きい成貝ほど食害も多く、殻高1.5cm以上のジャンボタニシがより被害を及ぼします。
(2)防除対策
 水の取り入れ口に網等を設け侵入してくる貝や卵を防ぎましょう。圃場の水際に柔らかい野菜(スイカの皮、ナス等)を置き、集まった貝を捕獲する方法もあります。
 孵化前の卵塊は、水面下に落とせば酸素欠乏で死滅します。孵化後は、水深2cm以下では活動できませんので、圃場では被害に遭いやすい田植後3週間までは浅水管理とします。また、「ジャンボたにしくん」等の防除薬剤もあります。
 越冬貝は、冬季に繰り返し耕耘することで、寒さにさらし、貝を破砕して越冬密度を減らすことができます。

写真4 産み付けられた卵塊

写真5 移植後の苗の食害

(吉永支店 金重 博)