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営農情報

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JA岡山東の営農情報をご紹介しています。


水稲

2017.11.01更新

今年の気象概況/今年の病害虫/来年へ向けて


1.今年の気象概況

 5月は高温多日照で苗の育苗では、葉先の焼けやかん水不足で葉が巻いて針のようになる苗がありました。また、育苗後半では蒸れ苗等もあり、こまめな温度管理や水の管理が重要な年となりました。
 6月の気温は平年並み~やや低く推移しました。降水量も比較的少なく推移しました。6月後半に天気が崩れ気味になり、降水量が増加しましたが、ジャンボタニシの被害は少なくなりました。
 7月の気温は平年より高く、降水量と日照時間はやや少なく推移しましたがおおむね順調に生育しました。
 8月は平年よりも日照時間が長く、気温は高めで推移し、茎数は多く確保されました。
 9月に入って気温が下がったため、晩生品種の一部で出穂が遅れました。
 また、台風18号の影響で管内の一部では、倒伏の被害が確認されました。

2.今年の病害虫

●斑点米カメムシ

(アカスジカスミカメ)
 今年、病害虫発生予察で発生が多いと予想され、被害が心配されました。山陽ではあまり本虫は確認されませんでしたが、一部で山際や休耕田の近く等では発生がありましたので、次のことを今後の参考にしてください。
主な被害
籾を吸汁し、名前のとおり斑点米を発生させ玄米の品質低下(等級落ち)を引き起こします。また、籾の頂部を加害されると尻黒米となります。
誘引源
  • イネ科雑草(ヒエ等)の穂
  • イヌホタルイの小穂
  • 水稲の穂
加害時期
登熟初期(乳熟期)
防除対策
 斑点米カメムシ類はイネ科植物の穂を好みます。水田内や水田周辺のイネ科雑草等は斑点米カメムシ類の誘引源、発生源、水田内へ侵入するための中継地点になりますので、カメムシ類の生息しにくい環境を整え、斑点米の発生を防ぎましょう。
・水田内の除草
水稲出穂前に結実するヒエの穂、イヌホタルイの小穂は斑点米カメムシ類の誘引源、発生源となりますので結実前に除草しましょう。
・水田周辺の除草
 農道や畦畔のイネ科雑草、水田周辺雑草地は斑点米カメムシ類の発生源になるとともに、水田内へ侵入するための中継地点になりますので適切なタイミングで除草しましょう。水稲出穂2週間前~3週間後の間に畦畔の草刈りを行うと逆にカメムシを水田内へ追いやることになるので避けましょう。

●紋枯病

 今年の被害は多くはなかったのですが、所々見かけられたので、次のことを参考にしてください。
主な被害
 葉鞘や葉身が枯死して倒伏しやすくなり、収量と品質に悪影響を与えます。また、白未熟粒の発生を助長し、外観品質の低下に加えて食味値も低くなる傾向があります。
発生原因
 主な発生原因は前年の被害イネ上に形成された菌核で、土壌中で越冬した菌核は代かき時に水面に浮上、浮遊し、イネ株に付着して感染します。高温多湿条件を好み、高温期に登熟を迎える早生品種はとくに被害が多くなります。
防除対策
 薬剤防除が中心となりますが、耕種的対策も重要で発病を助長する多肥と密植栽培をできるだけ避け、代かき時に水尻や畦畔ぞいの浮遊物を除去することで残存菌核量を減らすことができます。
今後の発生動向について
 近年の米情勢では産地間競争の激化にともない、飼料米イネの栽培や多収性品種の導入で多収量を目指す動きが強まっています。多肥栽培で過繁茂になると株元が高温多湿になりやすいこと、さらに、温暖化の進行も紋枯病助長の要因になります。

3.来年へ向けて

 営農情報誌等で刈り取った後の稲わらは水田にもどすことをおすすめしています。稲わらを水田にすき込むのに合わせて11月か12月に石灰窒素20㎏/10a散布すると稲わらを腐らせる微生物の増殖が促され、稲わらが早く腐ります。微生物の増殖は窒素の量が影響します。有機物が腐ると有機酸の影響で土が酸性になっていきますが、微生物は微酸性~中性を好みますので石灰と窒素を含む石灰窒素がもっともよいです。
 また、石灰窒素はジャンボタニシ駆除にも効果があります。
使用方法
  1. 稲刈り後、水温15℃以上の時期に3~4㎝湛水し、1~4日放置する。
  2. 石灰窒素20~30㎏/10aを湛水状態で全面に散布し、3~4日放置する。
 刈り取り後に使用した石灰窒素は稲わらの腐熟促進やヒエの休眠覚醒(ヒエの防除)やジャンボタニシ駆除にも役に立ちます。ただし、刈り取り後に水が入れられる水田でなければなりません。
※使用上の注意
  1. 石灰窒素の散布後は10日間、作物を作ることができません。これはジャンボタニシやヒエの防除に役立つカルシウムシアナミドという成分の影響です。10日間必要なのはカルシウムシアナミドが土の中で分解して無害なアンモニアに変わるために必要な日数です。その後は作物を作っても問題ありません。
  2. 石灰窒素には魚毒性があります。散布した水田から水が出ないようにしてください。
(山陽基幹支店 大崎 裕規)